大連外語

　坂の登った途中に大連外国語学院があった。わたしは坂を登ってゆく。今日も授業に出なかった。最初のうちにちょっと出ただけで、もうずっと授業に顔を出していない。授業に出ることより、外をぶらびらしていたり、部屋で酒を飲んでいるほうが好きだ。

もう完全に遊学だ。

その日も朝早く、星海公園まで出かけ、何もせず、ただ、ぼーと海を眺め、それから、昼近くに肝炎街（天津街）にある朝鮮冷麺の店で１杯１元の冷麺を食べたあと、烤羊肉（羊の串焼き）や煎餅、うずらの卵フライなどをつまみながら、大連外語に帰って来た。

　これがいつものお決まりのコースだ。

　帰ったあと、昼間から酒盛りーか。

　まぁ、そんなところだろう。

　それでなくとも夜は必ず宴会だった。

　飲んで、歌って、替え歌作って、シモネタ談義・・・。

　それしかやることがなかった。

　集まれば、こればっかりだ。

　誰もかれもなにかと闘っていた。

　自分との闘いであったり、他人との闘いであったり・・・。

　そんな大連外語の毎日だ。傷ついたり、傷つけたり、悩んだり、悩ませたり・・・。

そんなことを続けてばかりいる。

　この坂を登るとそんな日常が待っている。

　犬君、出っちゃん、カンちゃん、生田さん、諸星さん、長谷川さん、伊藤さん、杉山、メイコ・・・。

　みんな、みんな、待っている。

　みんな、みんな、わたしの表演（ショー）を待っている。