B　R　A　N　D
ブランド

　　　◎製品や企業に関するあらゆる印象や体験の蓄積。

 
　愛ちゃんについて、筆者が妙に感心していたことに日本のファッションブランドや化粧品、美容グッズについて、やたらと詳しいということがあった。北京やシカゴやニューヨークにいながら、どこで見つけてきたのか、��あれ送って欲しい″、��これ送って欲しい″と商品のホーム・ページが送られてきて、これまで、スカートやブーツ、コートに美容品、ダイエット商品なんかを贈ったりしたのだが、中国やアメリカにいるのに、外国どころか日本でも一般的にはほとんど知名度がないようなメーカーの商品を愛ちゃんが捜してくるのには本当に驚きだった。

おそらく、愛ちゃん、中国にいたときから、��これ素敵″、��これ綺麗″、��これ使ってみたい″と常に日本のファッションブランドや美容品について、こまめにチェックをしていたに違いない。

残念ながら、筆者にはファッションブランドや化粧品、美容グッズについての知識はまったくない。なので、それらの日本製品と中国製品の違いについて、かくかくしかじかと論ずることはできないのだが、愛ちゃんのように中国で普通に暮らしていた女性ですら、日本製品の良さを知っている、これが日本の強みといえば、強みに違いない。少なくとも愛ちゃんは日本に憧れていて、��日本人になりたい″とまで云っていた。

　ところが、その愛ちゃんが、ロスに行ってからは、日本のファッションブランドや美容品を催促することがまったく無くなってしまった。

　ブランド品やエステ以外に心を満たすことができるようになったからだろうか？

　たしかに目の下にクマを作りながら女優修業をしていたニューヨークのときよりもロスにいってからのほうが、とてもよい表情をしているが、��日本に行きたい″とか、��日本が好き″という話もしなくなった。

　愛ちゃん、もうほとんど日本に興味が無さそうだ。

　ブランドで思い出すことと云えば、筆者がまだ藤が丘の平和堂で常駐警備をしていた頃、だから、２０１１年の９月くらいのことだったと思うが、しきりに野村証券から「日本ブランド株 豪ドルコース」というのを勧められて、それほど勧めるのならと買ったことがある。

　野田内閣が誕生したての頃だ。

　日本ブランド株豪ドルコースは２０１３年の１月まで持ち続けていたが、アベノミクスで倍になる前にちょっと儲けたところで売ってしまった。

　考えてみると惜しいことをしてしまった。

　倍になるとわかっていたら、全額つぎ込んだのだが・・・・。

　わかってたら、インサイダー取引か・・・。

　さて、あれから１年以上が過ぎ去り、日本のブランド戦略というものが今、どのように行われて、どれほど進んでいるのかは知らないが、当時と今とを比べてみると株はたしかに上がるには上がったが、さりとて世界から見て、日本のブランド価値が格段に上がったかというと残念ながら、これといって上がったようにも思えない。

それが証拠に２０１３年度、国家ブランド価値で日本は４位⇒５位に下がり、順位で中国に負けていたり、企業ブランドではトヨタがサムスンに負けていたりする。

下がったのはブランド力だけではない。

日本の好感度は２０１２年度には世界第１位だったが、２０１３年は４位まで落ちてしまった。このままではまだまだ落ちるかも知れない。

中国や韓国もいつまでも発展途上国でもない。

技術だって、発展とともに上がってきている。

自国で安くてそこそこのものが買えるのなら、無理してまで外国の高いものは買わないだろう。

中国や韓国との競争もいいが、そろそろ��中等国日本″で、外国人の金持ちを相手にしたり、貧乏だけど幸せに暮らすのがトレンディになってもいい時代ではなかろうか。

それでなくとも日本の環境や製品はいいに違いないのだから。

　　　２０１４年４月２８日