カブトムシ
甲虫
◎コガネムシ科の昆虫。体長４～５㎝。体は黒褐色でつやがあり、雄は頭に角を持つ。
◎主に夜活動し、クヌギ・サイカチなどの樹液を吸う。サイカチムシ。
あれは２００２年の夏の終わり、さんざんあおられながら、必死に現場で出庫していた頃のこと。当時、筆者は出庫だけが仕事で、完全にほされていた。雪印や日本ハムで牛肉偽装が発覚、そのあおりをもろに受けた形となり、偽装にかかわった覚えなどまるでない筆者がまるで偽装犯であるかのような扱いを受けていた。ちょっと考えればわかると思うが、筆者のような下っ端が他社の内部事業など知るわけもないし、例え、そのようなことが行われていたとしても偽装など関係しているわけがない。にもかかわらず、さんざんあおられていた。精神的にはボロボロ、肉体的にはへとへとになりながら、仕事が終わり、マンションに帰ってＴＶを見たら、ちょうどニュースの時間で、（ＮＨＫにチャンネルを合わせると）カブトムシがガラスケースのなか、チョロチョロと動いていた。そして、カブトムシが動いたのを見た男性アナが開口一番、
『カブトムシです』
と喜んでいた。
（・・・・カブト・・ムシ・・？）
それを見た筆者が虚脱感に襲われたのは云うまでもない。
クビになるちょっと前の話である。