Ｍ　ａ　ｎ　ｉ　ａ　ｃ
マニアック

　　　　◎特定の物事に異常に熱中し、集中しているさま。「−な収集の仕方」。

 
　人間が人間として、あり続ける限り、必ず、頭や心のどこかにこだわりや執着、熱狂、フェチ、妄信などが生まれ育つ。人間もまた自分本来の居場所がなければ生きていけないか弱き生物界のなかの一員にすぎないからだ。それはやがて、一般的には幼少期に夢中になった玩具を大人になってもひたすら集め続けたり、高額な美術品や骨董品に大枚をはたいて悦にはいったり、好きな俳優や監督、作家の作品にのめりこんだり、バンドやアイドルのおっかけをしたりという形で表れるが、なかには女王様にロープで縛られたり、ムチで叩かれたりーといびつな形で発展したり、さらにゆがむだけゆがんでいくと、女性を路上で待ち伏せたり、家に押し掛けたり、電車で乳や尻を撫でまわしたり、揉むしだいたり、下着や靴の匂いを嗅いだり、盗んだり、ゴッドがポアしろと云ったから、爆弾作ったりーと警察のごやっかいになるものも出てきたりする。

　幸か不幸か、筆者は大金を費やすような収集癖は持ってないし、警察に捕まるようなことはこれまで一度もしてないけれども、かのごとく、人間は大なり小なり、マニアックな部分を持ち、それに依存しながら、生きている。その度合いの違いがあるだけだけで、こだわりもフェチも熱狂も執着もなく、この世を生きている人間など存在しない。存在するわけがない。絶対、存在しない。

　筆者はというとプロレスと映画と漫画・アニメと歴史が好きだ。

　なぜか？
　
　そのどれも筆者をつまらない日常から解放してくれる。　

　英雄、ヒーローの世界に導いてくれる。

　アントニオ猪木、三船敏郎、緒形拳、ショーン・コネリー、ビビアン・リー、黒澤明、宮崎駿、スタンリー・キューブリック、劉備玄徳、ブルース・リー、山本周五郎、司馬遼太郎、筆者の子供の頃の敬意と憧れだ。

　ついでにアイドルは松田聖子、アニメは超時空要塞マクロス、エロスはＳＭ小説の結城彩雨、ＡＶ女優は菊池エリが好きだった。

　悪いか？

　悪くないだろ？

　そして、大人になり、アマチュア作家ながら、著名な役者や女優、アイドル、格闘家との交流を持ったこともある筆者の頭のなかを憂鬱で憂鬱で仕方ないとき、たまに、

　むか〜し、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました。

　おじいさんはやまに柴かりに、おばあさんはかわに洗濯にいきました。

　おばあさんがかわで洗濯をしていると、かわかみから、

 

　　　　　　　　　　　　ドン・ムラコ

　　　ドン・ムラコ

　と大きな桃がながれてきました。


　とか、

　
　バズ・ソイヤーの目の前で、一世風靡セピアが、


　　　　　　　　　　　ソイヤ！

　　　　　　　　　　　　　　　　ソイヤ！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ソイヤ！

　と、「前略、道の上より」を唄ってみせたり・・・。



　・・・とこのようなギャグがかけまわると、ひとりで、


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うぷぷぷぷぷ


　と含み笑いをしまうのだが、そのことについて、大抵のひとには理解されない。

　なぜだろう？

　　やはりマニアックだからだろうか？

　　２０１４年１２月９日