ぬらりひょん
　　滑瓢

 
　　◎ぬらぬらしてとらえどころのない架空の化け物。日本の妖怪。
　　◎坊主姿の老人で描かれたり、海坊主、のっぺらぼうの１種とされたり、さまざまな説がある。

　「ゲゲゲの鬼太郎 千年の呪い歌」という映画があった。２００８年７月公開の作品で、原作は云わずと知れた水木しげる。主人公の鬼太郎にウエンツ瑛士、猫娘を田中麗奈、注目のねずみ男を大泉洋が演じ、その他、砂かけ婆に室井滋、子なき爺に間寛平、目玉おやじ、一反木綿、ぬり壁はＣＧといった配役（？）だった。ストーリーはというと雨降りの丑三つ時に��かごめ歌″を聞いた女性が失踪、そばには必ず��銀の鱗″が残されるという快事件が発生。それは妖怪濡れ女（寺島しのぶ）による呪いで、その呪い歌を聞いた女性はやがて全身が鱗に覆われ、死に至るという。この事件に巻き込まれた女子高生楓（北乃きい）を救うべく、鬼太郎らが立ち上がるという話で、名優緒形拳の遺作でもあり、緒形拳はこの作品で濡れ女を裏で操る��ぬらりひょん″という妖怪の悪の親玉を演じていた。　　　　　

この映画が公開されて、まもなくの１０月５日、緒形拳は肝癌によって死去するのだが、そのとき、「とくダネ！」に出演していた前田典子が緒形拳について『昔の作品は知らないです。ぬらりひょんの印象しかないです』とこのようなことを云っていたのを筆者は鮮明に憶えている。この映画自体は映画館に足を運んでまで観に行った映画でもなんでもないし、映画そのものにも��面白かった″とか��感動した″といった印象は特にないのだが、緒形拳の遺作であることと上記のエピソードについては深く記憶に残っていて、後日、ＴＶで映画を観たのだが、そのときの緒形ぬらりひょんの印象は立っているのがやっとといった感じで��ふらふらだなぁ″というのが正直なとこだった。

　ぬらりひょんといえば、温水洋一の中学時代のあだ名がぬらりひょんらしい。

今年の４月１４日（月）、「とくダネ！」にドラマ「ＢＯＳＳ」の宣伝のため、天海祐希がゲスト出演。この作品で温水洋一は落し物をやたらとする、うっかりものの刑事「落しの山さん」を演じているのだが、小倉智昭が天海祐希に向かって、『あの〜、天海さん、竹野内豊が変なキャリアだったり・・・、温水さんが刑事として役に立っているようにはとても・・見えないんですが・・・』と云っていたのが、妙に面白く笑えた。

　5月２１日（土）。日韓中首脳会談のため、中国の首相、温家宝来日。津波の被害を受けた宮城県名取市を訪れる。日本の農産品輸入規制緩和を表明。管総理、李明博大統領とともに避難民が生活する福島県あづま体育館を慰問。また風評被害に苦しむ現地の野菜を試食して安全をアピール。　

　この日、愛ちゃんに『今日、暇しているんで、よかったらメールください。新作（新永楽大典【創作】）、頑張ってます』とメールし、アピタ千代田橋で母親とイタリアンを食べる。随分と賑やかだっかなと思いながら帰ってきて、メールＢＯＸを開くと『いつもメールありがとう。大変ですか？今日本の状態はどうですか？お箸はありがとう。使っています。両親に送りますと思います。５月２４日引越します。君の心はありがとう、いつも覚えています。私の心支えるのこともありがとう。愛より』とメールの返事がきていた。その翌日、ニュースで温家宝首相が来日していることを知る。首脳会談では福島産の農作物について風評被害を出さないことで一致したらしい。このことによって、農作物や水産物の輸出や中国・韓国からの観光客の減少といったダメージが減れば、これ幸いだろう。

　それにしても愛ちゃんからのメールが以前に比べると随分と少なくなった。

　メールの返事が１ヶ月くらいなかったときもある。

おかげで筆者の心は苦しい思いでいっぱいだ。

現代にも妖怪は存在する。

　しかし、どうやらそれは自らのものさしでは測れないものを指すらしい。

　２０１１年６月１７日